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Channel: 「遠野」なんだり・かんだり
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住田町の結婚式

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雪が積もっては融けを繰り返し2月も末。

今年の冬ぐらい、公私ともにバタバタが続く年も珍しいと感想など書くと他人事のようですが、

実は、本当に大変なんです。笑

さて、昨日は、情報を頂いていたこともあり、隣りの住田町へ

 

式の全容は判断できませんでしたが、これだけ観られればという内容がひとつあり、思いを募らせ

 

タイムスケジュールがインターネットに公開されている訳でもないので

祝い事は午前中という私の常識を信じて新郎の家へ行くと

建物の外壁回りに紅白の幕が付けられ、外には、それらしき人たちが大勢。

間もなく何かが始まるであろう雰囲気の処へ滑り込みました。

やがて、準備が整ったところで、仲人と新郎側の人たちが、新婦の家に出向きました。

着くとすぐ、仲人さんと新郎両親、新郎に盃

新郎をお迎えする盃事という意味のようです。

 

新婦の家に入った後は、仲人さんへ新婦をお預けする盃事

仲人、新郎両親、新婦両親という順で盃が回り、その区切り区切りで高砂、養老などの謡曲が唄われました。

新婦の家での儀式が終わると、送り酒

 

近所の方々がご覧のようにお酒を・・・

遠野では観られない内容です。

最初に記した見たいものが、これです!

 

参加されている方々の口から、「オモロー?オモリョウ?オモレイ?」という言葉が出ていましたが、

どういう事かと聞いても、はっきりとはわかりませんでしたが、「御諸親様」の読みのようで、

「オモロオヤサマ」を「オモローさん」と云っているようでした。

 

場所を下有住(しもありす)から世田米の町中に移動し、ここでも例のオモローさんの盃事

ここからが迎え酒

以前、縁ある遠野人から、陸前高田に娘を嫁に出す際、新郎の家に着くまでに

何度も盃を飲み干し、えらい目に遭ったと聞いたことがあり、それがどのようなものだったのか

やっと直に観ることが叶った瞬間でした。笑

移動する際には、お立ち酒が唄われました。

この後、一行は新郎の家(今回は公民館)に向かうことになりますが、トラブル発生!

 

パンクです・・・

傍にいた社協にお勤めだという「畠山」さんに、自動車修理工場へTELして頂き、応急措置。

その間に結婚式の一行は世田米を離れており、ここまで観られただけも満足だと自分に言い聞かせ、

レンズ落下からコピー機の故障、そして、ハードディスク昇天etc

次は車では?と思っていたところに、その通りの出来事となり、肩を落とすことばかり

ですが、この車屋さんの事務所では、事務員さんから当時の結婚式の話をお聞きし、

おばあちゃんからは煎餅や飴を頂き、癒されたおじさんでした。涙

 

無理をしないスピードで真っ直ぐ遠野へ帰る途中、偶然にも式の一行が公民館へ着くところへ遭遇

世田米同様にもう一カ所で迎え酒が行なわれたようです。

 

新郎の家に見立てた公民館で結婚式

 

昔ながらの三の膳が用意され、

 

床の間飾り

 

遠野でも同様であったように、ちゅうざ(中座?)と呼ばれる方の進行により、

三々九度から両家へ盃が進められると、最初の盃事同様に謡曲が唄われ、乾杯

祝宴最初の「さんさ時雨」が終わると無礼講となり、外舘甚句が華を添えました。

数十年前に行われた同級生である新郎のお父さんの披露宴を思い出しつつ、撤収。

 

帰り道は、現実が待っています。

応急措置の車を遠野おぢさん商会へ持ち込み、笑わせるには十分なこの日の出来事を話して聞かせ修理完了。

 

追記

 

結婚式の中で、ご覧のような物が席についた方々に配られていました。

御膳の残り物をこれに入れて持ち帰るための「すとっこ」と呼ばれる入れ物なそうです。

「ストック」するという言葉にも通じる「すとっこ」 

この気仙弁を覚えている人も少ないようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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